かつての日本は大家族の暮らしで、子育てもお年寄りの介護も、女性が家庭内ですべてをまかなっていました。そのイメージからすれば、介護職とは「気の毒な人を助ける仕事」と思うかもしれません。しかし、核家族化が進んだ今日、女性だけで育児も介護も何もかもをやることは不可能になってきました。
そのため、現代で言う介護は、ごく普通の人が必要に応じて利用する普通のサービスになってきたのです。そうして、介護の仕事も幅が広がり、多くの人がこの業界で働くようになってきました。福祉は「人の幸せを支援」するという仕事で、とてもやりがいがあり意義のあるものです。社会貢献をしているという実感も得られます。

介護職として働くからには、報酬をもらって生活をしていかなければなりません。一般的なサービス業では、サービスを受ける人から料金をもらい、働く人の賃金が支払われます。例えば、レストランで食事をすれば、料金を支払います。この料金の中から給仕や料理人の給料が支払われています。
しかし、介護の場合は少し変わっています。日常の生活に困っている人が、受けたサービスの料金をすべて負担することは難しいです。そこで、代わりに代金を支払ってくれるのが社会保障制度なのです。原則として、介護サービスを受けた人は1割だけ負担して、残りはみんなが支払う保険料と税金でまかなわれます。これは、民間の利益優先の仕事ではなく、公の仕事に従事しているのです。そのため、介護職員を公務員とすべきではという意見もあがっています。

介護の仕事はやればやるほど経験を得ることができ、自分のためにもなります。未経験の人やブランクのある人を受け入れる体制が整っている施設が多いので、迷っている人はチャレンジしてみることをおすすめします。